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良い質問をする方法~マインドセットとテクニック~

みなさんこんにちは。ルバート代表の松上です。前回はポータブルスキルの中でも論理思考(ロジカルシンキング)に焦点を当ててみました。今回はポータブルスキルの一つである「質問力」について書いてみたいと思います。

皆さんは質問が得意でしょうか。セミナーや会議などで鋭い質問を聞くと、「どうすればあんな質問ができるのだろうか」と思うことはありませんか。当然、良い質問をすることはその場への貢献ですから、周りや会社からの高い評価につながります。しかし、どうすればそんな質問ができるかを知っている人は少ないと思います。実は良い質問をするには二つ大事なことがあります。それはマインドセットとテクニックです。

まずマインドセットについてですが、質問の前提となる「疑問」は勝手に天から降ってくるものではないということを肝に銘じておくことが重要です。つまり、疑問が起こるのを待つのではなく、「この場で質問しよう」と決めておくから「質問できる」ものなのです。

イギリスの大学院に留学していた時に驚いたことの一つが、授業中に学生が鬼のように質問するということでした。なぜそんなに質問できるんだと不思議に思っていたのですが、ある時に気付いたのは「この人達、自分が質問することを前提で聞いてる…」ということでした。

普通、私達は「疑問がある」→「質問する」だと思っています。しかし、彼らはそうではなく、「質問しようとする」→「頭を使う」→「疑問が浮かぶ」→「質問する」という流れなのです。これは逆転の発想で、「意図」をもって聞くことの重要性を教えられた気がしましたし、自分も同じようにそうしてみたら自然と話を聞きながら頭を使うようになり、疑問が浮かぶようになりました。

ということで、まず大事なマインドセットは「必ず質問をする」と決めて、話を聞くということでした。ただ実はそうすると質問の質が伴わないことが起きます。実際に留学中に周りがする質問でどうでも良い質問は多かった気がします。もちろん、いつも良い質問をしようとすると、逆に自分を縛ってしまうので100発100中を狙う必要はないのですが、良い質問をするテクニックは確かにありますので、それを紹介しようと思います。

「良い質問をする」ためのテクニック、それは、「外の質問」と「中の質問」を意識して、できるだけ「外の質問」をするということです。

「中の質問」とは、話をしている人の内容について質問をするということです。例えば、「こういうターゲット層に向けて施策を打ちます」という内容に対して、「ターゲット層は具体的にはどういう人達ですか」とか「施策の詳細を教えてください」というような質問です。これは相手の内容を深堀りする質問です。

「外の質問」とは、話をしている人の内容の外について質問するということです。例えば、先ほどの「こういうターゲット層に向けて施策を打ちます」という内容に対して、「〇〇さんの想定するターゲット層も良いと思うのですが、△△というターゲットも面白いと思うのですが、いかがですか」とか「〇〇さんの施策を更に強化するために、××の要素を加えると良いと思うのですが、どう思われますか」というような質問です。


 

この二つを比べてもらってどちらの方がより「良い質問」に感じるでしょうか。私は圧倒的に「外の質問」が有益だと考えます。発表者が気付いていない可能性があるポイントを指摘しているからです。ただ、「外の質問」は必ず相手の内容を受け止めてから伝えることが重要です。「〇〇さんの内容は納得ですが、△△という観点もあるのではないかと感じました」のような伝え方ですね。「△△という観点もあるのではないかと感じました」とだけ伝えると、発表者の否定ととられる可能性があるからです。

以上、マインドセットとテクニックについてお伝えしました。「質問するぞ!」というマインドと、「外の質問」というテクニックをぜひ活用していただければと思います。

いつものご案内ですが、5月に人材育成担当者向けの無料の資料作成講座を行います。そこでは資料作成の重要なポイントをご説明する予定です。質問のためにはどのようなポイントが大事かを知っておいて、その観点で発表を聞くということも大事かと思います。質問力向上のためにご活用いただければと思います。お申込みはこちらからです。