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『戦略的プレゼン資料作成講座~グラフ実践編~』開催レポート

こんにちは。ルバートでマーケティング・広報を担当しております渡邊です。

GW明けで仕事や学校でまだエンジンがかかりきっていない方もいらっしゃるかもしれませんが、ルバートではGW明けの週末に資料作成講座を2つ開催しました。

今回は、5月12日(日)に五反田の会議室で開催いたしました、資料作成の中でもグラフ作成に特化した『戦略的プレゼン資料作成講座~グラフ実践編~』に参加しましたので、その模様をご紹介します。

私は本業として計数管理に長らく携わってきたのですが、効率化のためにExcelで作成したグラフをPowerPointに貼り付けることが多く、書籍や上司・同僚が作成したスライドを参考にして、見よう見真似で定量スライドを作ってきました。今回、この講座でどんな新たな発見が得られるのか、非常に興味津々で参加しました。

今回の講座には、2日間講座を受講された方や実践編のリピーターの方に加えて、初めて戦略的プレゼン資料作成講座を受講される方も数名いらっしゃいました。(※『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の該当章の読了が受講条件になります。)


 

まず最初に、講座で学んだ成果を自分で作成したスライドのBefore→Afterを見て実感してもらうために、問題に提示されているデータを使って、スライドメッセージを伝えるグラフを解答用紙に手書き(チャラ書き)しました。

ここからは、グラフ作成の流れに沿って、以下の4つのステップを順に講義と演習問題を組み合わせた形で進んでいきました。

(1)「選ぶ」:比較する内容に応じてグラフの種類を選択する
(2)「見せる」:データの絞り込み、順序変更などにより、読み手に取って見やすいグラフに加工する
(3)「強調する」:スライドメッセージに沿い、グラフの重要な部分に強調を行う
(4)「整える」:グラフのルールに則って、グラフを完成させる

講師の松上さん曰く、定量スライドの作成の4つステップの重要度を全体に占める比率で示すと、「選ぶ」が60%、「見せる」が20%、「強調」が20%とのこと。「整える」は、できていないと評価にマイナスがついていく内容。「メッセージが明確であれば、グラフ選びでは迷わない」のが鉄則。誤ったグラフを選択してしまうと、その後のリカバリーはほぼ不可能です。

ということで、定量スライドの良し悪しを左右する最も重要な「選ぶ」のステップからスタートです。講師の大塚さんから「比較種類」と「グラフタイプ」の2要素の組み合わせによるグラフ選択のポイントの解説がありました。

今回初めて講座内で紹介されたマリメッコチャートを聞いたことがある受講者はごく少数でした。市場分析や顧客分析において非常に強力なチャートなので、もしご存じない方は大塚さんお薦めのMekko Graphics (米国の戦略的チャート作成ソフトの会社サイト)をぜひ覗いてみてください。

「見せる」のステップでは、比較を行う切り口に基づいて、同じ種類のデータ群(例えば、国内と国外)に分けて、それぞれについて大きさや重要度に合わせて並び替える方法についての説明の後で、実際のグラフの操作に挑みました。

「強調」のステップは、何を強調するのかの理論の解説とあわせて、使用シーンと強調方法のセットで解説いただきました。読み手がメッセージを読まなくても、グラフを見ただけで内容がわかるように強調することを意識して、「シンプルイズベスト」(=過大な装飾はNG)を心がけることが大切とのことです。

「整える」のステップでは、目盛線、目盛の刻み、データラベル、フォントサイズ、出所など、グラフの見やすさを左右するポイントについて例題を解きながら学びました。

最後に、講座の序盤にチャレンジした例題を含む実践問題で、PowerPointのスライドにPowerPointの機能でグラフを挿入して1枚のスライドを作成しました。写真は、私の隣で受講されていたNさんが作成されたスライドです。

手書きしたグラフと見比べつつ、グラフ作成の4つのステップに沿って講師から作成のポイントの説明をいただき、5時間の講座が終了しました。

今回この講座に参加して、グラフを含むスライド作成を論理的に行うことの重要性をあらためて実感し、初心に立ち戻ることができました。

「根拠を持ってグラフを選び、根拠をもって強調する」ことで、メッセージを読み手に分かりやすく伝えるといったグラフ作成の極意の奥深さを再認識すると同時に、実際に手を動かしてみて、バージョンアップしたPowerPointの機能や操作についての知識も高めて、早くスライドを作るスキルを磨く必要があるなと感じました。

また、世の中ではBIツールやKPIや売上管理を可視化するダッシュボード機能が組み込まれているツールが普及しており、日次売上データといったSnapshotを適宜モニタリングする目的では、こういったツールの自動グラフ機能を使うことで効率化を図っている企業も多いのではないかと思います。

一方で、非連続な成長のための戦略立案において市場規模や売上計画等を示す場合には、データ収集・分析からプレゼンテーション資料の作成、意思決定者への提案までを行うことになります。

その場合、資料の目的に応じて、各スライドのメッセージを決めて、メッセージに合うグラフを自分でゼロから作ってスライドに落とし込みことが必要です。ビジネスの現場においては、自動的に生成されたグラフとメッセージを込めたグラフ入りのスライドを、目的に応じて適宜使い分けできるようにしておくことが望まれることでしょう。

ぜひ、グラフを作る機会の多い職種の方、社内または社外のコンサルタント等が作成するグラフが多用された資料を読む機会の多い経営層の方にも受講をお薦めします。