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【講師紹介】『資料作成と僕~中川拓也~』

ルバートが主催する資料作成講座の講師陣を紹介するシリーズ4回目として、中川拓也をご紹介します。

大学卒業後、JTBグループにて極東ロシア及びAPAC地域からの訪日インバウンド誘客事業や受け入れ環境整備事業、文化交流プログラム開発等に従事。その後、国家代表が集う国際会議やグローバル企業主催のコーポレートミーティング等の運営業務に携わる。

現在は(株) JTB総合研究所にて観光のマーケティング戦略や事業戦略のコンサルティング業務に従事。また五輪種目である近代五種競技の国際審判員資格を有しており、国際大会の審判員を務めている。

伝わりやすく、見る人が驚くような、芸術性のある美しい資料を作りたいという思いから、2019年9月より株式会社ルバートに参画。


 

資料作成に関して何もわかっていなかったことを学んだ資料作成講座

―――ルバートで資料作成講座の講師を受け持つようになったきっかけは何ですか

講師の大塚さんと同じですが、昨年(2019年)の夏に松上さんから「資料作成講座の講師に興味はない?」と誘って頂いたのがきっかけです。ただ私はカフェではなく、イタリアンレストランでした。(笑)

私が初めて松上さんとお会いしたのは、社内の新人研修として開催されたルバートの法人1日研修でした。当初は「操作の仕方を学ぶ研修」と勘違いしており、また元々は営業職でパワーポイントを利用してお客様の提案資料等を作る機会が多かったため、何となく自信をもって受講しはじめたのですが、開始早々クイックアクセスツールバーの話が出てきた時点で撃沈。その後の内容は、今まで感覚のみで資料を作成していた私にとっては考えたことが無いことばかりで、自分が資料作成に関して何もわかっていないことを学んだ衝撃の1日でした。

私は当時、ルバートの講師をしている渡邉さんと同じ会社で働いており、受講後は資料作成に関して日々の業務を通し渡邉さんから様々教えていただいておりました。ところが、私が一人で担当するプロジェクトが煮詰まってしまったタイミングで渡邉さんの海外赴任が決まってしまい、アドバイスしていただける方がいないか相談したところ、「師匠に話をしておいたから、直接弟子入りして来い」とのことで、松上さんをご紹介いただきました。約3か月間にわたりプロジェクトのアドバイザーとして毎週松上さんと打ち合わせをしていたのですが、私にとっては家庭教師の先生についていただいたかのようで、本当に学びの多い期間を経験させていただきました。松上さんはご受講いただいている皆さんもご存じの通り非常に温厚な方なのですが、「ちょっとこのスライドは後ろ(日の目を見ない没スライドゾーン・・・)に置いておきますね」と笑顔のまま言うので、逆にもっと勉強しないと、と思い続ける日々でした。

そのプロジェクトと並行しながら、改めてルバートの個別スキル実践講座を順番に受けはじめ、概ね受け終わった段階で柗上さんよりお声かけいただき、講座運営のお手伝い等から一緒に参加させていただくことになりました。私は資料作成とは何かということを全く理解せずに講座を受け始めた身であるため、同じような立場で受講される生徒の皆様にも寄り添った講座であるために、できることがあるのではないかと思い、お引き受けさせていただきました。

週に1度以上プレゼンをしていた大学時代、資料作成が得意だと思っていた

―――もともと資料作成は得意でしたか

得意だと思っていました、恥ずかしい話ですが。(笑)
大学がプレゼンテーションの多い学部だったため、授業で1週間に1回以上はプレゼンをする機会があり、資料を作る機会は多い方だったと思います。また大学時代は映画製作の勉強をしていたこともあり、撮影した映像の編集や合成をしたり、IllustratorやPhotoshopを使用してポスターを制作したり等もしており、何となく他の学生よりはパソコンには強いかなと思っていました。

社会人になっても営業職として提案をお客様にお持ちする機会が多く、パワーポイントを使用することが多かったため、自分は資料作成が得意なのだと思っておりました。
しかし現在の職務をと担当する際に受講したルバートの法人講座にて衝撃を受け、自分は資料作成スキルが全くないことを理解しました。受講前に作成していた資料を振り返ると、色彩やフォント等のデザイン面ばかり気にした内容が全く入ってこない資料で、今思うと非常に恥ずかしいですね。また言葉で補うことを前提としており、文字量が非常に少ない資料ばかりで、一人歩きする資料とは程遠かったなと感じています。

 

上手な人のスライドを真似することで自分の引き出しを増やすことにつながった

―――資料作成についてどのように勉強していきましたか

私が最初に実施した方法は、自分の言いたいことをルバートの型を利用して表現してみるということです。初めて受けた講座での「型を組み合わせることで、だいたいのことは表現できる」という松上さんの言葉を信じて、とにかく型の組み合わせを学ぶことでできることを増やしていこうと思い挑戦することにしました。

繰り返すうちに慣れてくると型に置き換えることはできるようになったのですが、いつも似通った資料を作っていることに気づき、自分の引き出しの少なさを認識するようになりました。そこで、上手な人の資料の中から自分の気に入ったスライドを真似することにしました。様々な人の資料を見ていると、「このスライドを作ってみたい!」と思うことがあるのですが、そのスライドを自分が次に資料作成を行う際に利用できるように、密かにプロジェクトを誘導してみたりするようになりました。その頃は出来上がったスライドを他の人に見せたくて、周りの同僚に「このスライドかっこよくない?」と話しかけており、非常に迷惑だっただろうなと反省しております。(笑)

そうして自分の作りたいスライドが出来るようになってくると、今度は「なぜスライド作成者はそのまとめ方を選んだのだろう」と考えるようになりました。その疑問はメッセージや小見出し、切り口等はもちろん、フォントサイズやピクトグラムの選択まで多岐に渡り、もし自分が作るとしたら、という目線を持って他の人の資料を見る癖がつきました。その頃から私は資料作成において疑問に思うことがあったらなんでも聞こうと決め、先輩・後輩関わらず、資料において疑問がわいた際は聞きにいくようにしていました。すると次第にお客様への提出前にわかりにくいところがないか、フラットな目線で見てほしいと言ってくれる同僚が現れ、他人の資料を見る機会がより増えることとなり、結果的に自身の資料作成スキル向上につながることになりました。もっとも、私は誤字脱字に気づくのが得意らしく、それ目当てで見せてくる人も多いのですが。(笑)

 

フィードバックはもらうだけでなく、してみることも重要

―――資料作成の上達に必要なことは何ですか

他の講師も既に回答していますが、私も良いスライドを見て、そのスライドが作れるように練習し、他人からフィードバックをもらうというサイクルが重要であると思います。
またそれに追加で私が重要だと思うのが、「フィードバックをする」ということです。他の人の作った資料を見て、「何となくおかしい気がする」と思ったことのある方は多いのではないでしょうか。他人資料に対し論理的にフィードバックをするのは非常に難しいことです。というのも自分が抱いた違和感を言語化する必要があるからです。多くの場合はせっかく抱いた違和感をきちんと論理的に説明することができず、相手に伝えずに終わってしまうかと思います。違和感を覚えた場合に臆することなくその違和感を口にし、「なぜなら・・・」と言ってみると、意外と自分なりの意見が言えるようになるかもしれません。教えることは学ぶこととも言いますが、自分で違和感を言語化できた経験はしっかりと記憶されており、自分自身が同じような資料を作る際に頭をよぎるようになります。沢山のフィードバックをもらうことも重要ですが、自ら沢山のフィードバックをしてみるということも是非心掛けてみてください。

そして、資料作成の上達において忘れてはいけないことは、一緒に成長したい仲間を持つことだと思います。私も以前はルバートの資料作成講座の1つである資料作成キャンプに毎回生徒として参加していましたが、常連の生徒の皆様と毎回切磋琢磨することが楽しくて、毎月の開催を楽しみにしておりました。ルバートの講座を受けに来てくださる方は皆、資料作成を上達したいと思っている方だと思います。そんな方々が一緒になって成長を目指すことが上達には欠かせないことだと思います。

 

資料作成とは自分が伝えたいことを論理的にまとめたコミュニケーションツール

―――資料作成の重要性についてメッセージをお願いします

昨年とあるシンポジウムでの講演資料を作成したのですが、どうしても納得がいかず試行錯誤を繰り返すうちに時間が経過し、漸く資料が完成したのはシンポジウム開始直前となってしまいました。これから講演を行うというのに結局一度も練習をすることができず、不安を抱えたまま登壇し、頭が真っ白になりそうでしたが、いざステージに立ってみると自分のスライドを見ているだけで言いたいことがスラスラ口から出てきて、結果的に非常に高評価を頂くことができました。

資料作成とは資料をきれいに作成するスキルだけを指しているのではありません。自分が本当に伝えたいことは何なのか、相手にどのような行動をしてもらいたいのか、ということを論理的に思考した上で、その内容を資料として表現するというコミュニケーション全体を指しています。
自分で納得いくまで考え、情報を整理し、相手に伝えようとした資料は、結果的に自分自身を助けてくれるものとなります。私が最初に思っていた勘違いのような、パワーポイントの操作方法を学ぶことも重要ですが、それよりも自分が何を表現したいのかを徹底的に考え抜くことが重要だと思います。

受講してくださっている皆様が作った資料がいつの日か、誰かにとっての「この資料を作ってみたい!」になるように、是非一緒に成長していきましょう!