ブログブログ

管理職・次世代リーダーが「続けたい」と思える状態をつくる個別コーチング ― 意識変容から行動変容へ ―

≪目次≫
1.はじめに
2.管理職・次世代リーダー育成において、個別コーチングが果たす役割
3.事例①:「自分は管理職に向いていない」と感じていた女性課長の変化
4.事例②:次世代リーダーが、次のステージに向けたキャリアの軸を明確にしたケース
5.コーチングによって生まれる変化と組織への効果
6.まとめ

本記事の執筆者
村松 陽子ムラマツ ヨウコ
  • 国家資格キャリア・コンサルタント
  • (株)アナザーヒストリー プロコーチ養成スクール 認定コーチ
  • 公益財団法人21世紀職業財団 客員講師
 

1. はじめに

近年、多くの企業で管理職育成や次世代リーダー育成への取り組みが進んでいます。
制度整備や研修の導入により、リーダーを育成する環境は整いつつあります。

一方で、実際に管理職を担っている方や、将来のリーダーとして期待されている方と対話する中で、次のような声を耳にすることがあります。

「自分にこの役割が本当に務まるのか、自信が持てない」
「このままここでキャリアを続けていくべきか迷っている」

外から見ると順調にキャリアを歩んでいるように見える方でも、
内側では、迷いや不安を抱えていることは少なくありません。

個別コーチングは、このような状態にある管理職・次世代リーダーが、自身の強みや価値を再認識し、「自らの意思で役割を担い、キャリアを続けていきたい」と思える状態を支援する取り組みです。

本記事では、実際の法人向けコーチングの事例を通して、
個別コーチングによってどのような意識変容と行動変容が生まれるのかをご紹介します。

2. 管理職・次世代リーダー育成において、個別コーチングが果たす役割

管理職・次世代リーダー育成において、研修は知識やスキルを習得するうえで重要な役割を果たします。

一方で、管理職として主体的に役割を担い続けるためには、本人の内面における納得感や自信が不可欠です。

多くの場合、管理職としての迷いは、能力不足ではなく、
・自分の強みを十分に認識できていない
・理想的な管理職像とのギャップを感じている
・自分なりのリーダーシップのあり方を見出せていない
といった、自己認識の部分に起因しています。

個別コーチングでは、対話を通じて自身の経験や価値観、強みを整理し、
自分なりのリーダーシップのあり方を明確にしていきます。

その結果、管理職・次世代リーダーが、自身の役割に対して納得感を持ち、主体的に行動する状態へと変化していきます。

3. 事例①:「自分は管理職に向いていない」と感じていた女性課長の変化

初めてお会いしたとき、40代女性の課長の方は、少し疲れた表情でこうおっしゃいました。

「自分は管理職に向いていないと思っています」

異動先で初めて課長になり、環境も業務内容も大きく変わったばかりの頃でした。
理由を伺うと、
「メンバーの仕事を十分理解できていない気がして…」
「周りの管理職のように、強く引っ張るタイプでもないですし…」
と、言葉を選びながら話してくださいました。

一方で、話を伺っていると、
メンバー一人ひとりの様子をよく見ていて、
誰がどんなことに悩んでいるのかも、きちんと把握されていました。

私はそのことをお伝えしました。
「それは、とても重要なリーダーシップだと思います」
少し驚いたような表情をされていました。

そこから、これまでの経験や、ご自身が大切にしてきたことを一緒に振り返っていきました。
数回のセッションを経て、あるとき、こんな言葉が出てきました。

「自分なりのやり方でいいのかもしれませんね」

その言葉を聞いたとき、
ご本人の中で何かが変わり始めているのを感じました。

最終的には、
・自分の強みを活かしたリーダー像を言語化
・管理職として続けていく意思を明確化
・将来のキャリアについても前向きに考えられるようになる

という変化が生まれました。

4. 事例②:次世代リーダーが、次のステージに向けたキャリアの軸を明確にしたケース

別のケースでは、30代男性の中堅社員の方を担当しました。

これまで複数の重要なプロジェクトを任され、安定した成果を上げており、
周囲からの信頼も厚く、今後は次世代リーダーとしての活躍が期待されている方でした。

一方で、ご本人の中では、次のような思いが芽生えていました。
「このまま今の延長線上でキャリアを積んでいくことが、自分にとって本当に望む姿なのか、一度立ち止まって整理したいと思っています」

仕事に対して前向きに取り組んでいる一方で、
今後どのような役割を担っていきたいのか、自分の強みをどのように活かしていきたいのかを、改めて見つめ直したいというタイミングにありました。

コーチングでは、これまでの経験の中で特に充実感を感じた場面や、自然に力を発揮できていた状況を丁寧に振り返りました。

その中で、ご本人が無意識に発揮していた強みや、大切にしている価値観が徐々に言語化されていきました。

あるセッションで、
「自分がどのような場面で価値を発揮できるのか、少し見えてきた気がします」
とおっしゃったことが印象的でした。

その後、
・自身の強みを活かした役割の方向性を整理
・組織の中で担いたい役割を具体化
・中長期的なキャリアの軸を明確化

することができました。

結果として、現在の組織の中で、自身の強みを活かしながら次のステージに進んでいく意思がより明確になり、
日々の業務においても、より主体的に取り組まれるようになりました。

5. コーチングによって生まれる変化と組織への効果

これらの事例に共通しているのは、スキルが新たに追加されたというよりも、
本人が自身の強みと価値を再認識したことによって、役割への向き合い方が変化した点です。

自分なりのリーダーシップのあり方を見出し、役割を「任されたもの」から「自ら担うもの」として捉えられるようになることで、

・管理職としての継続意欲の向上
・主体的な意思決定や行動の増加
・組織の中でのキャリア形成への前向きな姿勢

といった変化が生まれます。

これは、管理職の定着や、次世代リーダー層の育成を進めるうえで、組織にとっても非常に重要な効果です。

6. まとめ

管理職・次世代リーダー層育成においては、知識やスキルの習得だけでなく、本人が自身の強みを認識し、役割に対して納得感を持てる状態を支援することが重要です。

個別コーチングは、そのプロセスを支援する有効な手法の一つです。

自身の強みを理解し、自分なりのリーダーシップを見出したとき、
人は主体的に役割を担い、継続していこうという意欲を持つようになります。

こうした変化は、個人の成長だけでなく、
組織全体の持続的な成長
にもつながっていきます。

   
   

 

\ Rubatoの法人向け1on1キャリア支援 /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
キャリアコーチングサービス「me:Rise」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

【本記事の執筆者】
村松 陽子

プライム上場企業の人材育成部門での経験を経て、ベネッセコーポレーション人事部に所属し、採用、女性活躍推進、働き方改革、人事制度企画などを推進。20~40代の数百人を超えるビジネスパーソンのキャリア支援に従事。

その後、株式会社blissを設立し、現在は組織・人事コンサルティング、組織開発、ビジネスリーダー向けのコーチングを行っている。

クライアントの価値観や気持ちに寄り添い、自分らしさを軸に自己変革を促す支援を信念とする。

また、クライアントの強みと自己効力感を引き出し、達成したいゴールに向けて成果を導くコーチングには定評がある。

・国家資格 キャリアコンサルタント
・(株)アナザーヒストリー プロコーチ養成スクール 認定コーチ
・公益財団法人21世紀職業財団 客員講師