ブログブログ

ライフステージの変化で揺らぐキャリアの再構築を支援したコーチング事例

Individual reflection sparks team transformation – ライフステージの変化で揺らぐキャリアの再構築を支援したコーチング事例

≪目次≫
1.はじめに
2.事例紹介:出産後に復帰した女性社員 A さんの葛藤
3.コーチングで「内的モチベーション」と「未来像」を再発見
4.「制度 × コーチング」で人材の定着をより確かにする
5.まとめ――ライフステージ変化は、キャリアの終わりではなく “再構築” のタイミング

本記事の執筆者
建部 真奈タケベ マナ
  • ・ICF認定資格/CRR Global認定 ORSCC (組織と関係性のためのコーチング認定コーチ)(ACC)
  • CTI応用コース修了
  • 産業カウンセラー
  • グロービス経営大学院経営学修士(MBA)
  • 国家資格キャリアコンサルタント
 

1.はじめに

日本では、少子高齢化や人口減少が進む中で、企業にとって「社員一人ひとりの長期的な活躍と定着」は、これまで以上に重要な経営課題となっています。
特に、結婚・出産・介護・転居といった ライフステージの変化をきっかけに、キャリアの見直しや離職を考える方は少なくありません。

確かに、制度面では働きやすさへの対応が進んでいます。例えば、ある調査では、第一子出産前後でも「約 7 割」の女性が就業を継続しているというデータがあります。
ただし、就業継続とはいえ、働き方・働く時間・仕事内容・将来のキャリア展望など、さまざまな条件が変化しており、制度が整っているだけでは“活躍を続ける”とは限らないのではないでしょうか?

本当に実現すべきは、制度的な「働きやすさ」だけでなく、「働きがいや将来のキャリアに対する希望を支える仕組み」だと私は考えています。

2. 事例紹介:出産後に復帰した女性社員 A さんの葛藤

A さんは、産休育休を経て職場に復帰しました。
制度上のサポートや職場の理解は十分あり、ワークライフバランスにもある程度満足されていましたが、心の奥にはこんな声がありました。

 ●「かつてのように仕事に全力を注げない自分」に対する違和感
 ● 子育て中心でもなく、仕事中心でもない、モヤモヤとした日々
 ●「このモヤモヤのまま続けて、将来なにか残るのか、成長できるのか」への漠然とした不安

Aさんのように、表面的には「安定」していても、生活スタイルが以前とは大きく異なるため働く意味や将来像が見えにくい状態になり、離職に至るケースもあるのではないでしょうか?

3. コーチングで「内的モチベーション」と「未来像」を再発見

私はこの事例で、A さんと次のような対話を行いました。

● 他人や家庭のためではなく、自分自身が本当に「ワクワク」したことは何か
● 仕事に就く以前、どんな未来を描いていたか
● 入社当時、どんな事に意欲を燃やしていたか
● これまで仕事を通して誇りを感じた瞬間はいつか
● 10年後、20年後――子育てやライフステージが変わった後に、どんなキャリアを描きたいか

その結果、A さんは、自分の原点となる想いを熱を持って語り始めました。
そして、「今すぐ全力じゃなくてもいい。少しずつ、でも長い目で成し遂げたい」という新たな決意を得られたのです。
私たちは、Aさんのペースで進める10年のキャリアプランを共に描きました。
かなり抽象化していますが、以下のような小さな一歩から始まる長期のキャリア設計です。

● 当面は子育てと今の仕事の両立をしっかりやる。
● 同時に徐々に興味のある分野に関わっている社内の人と話す機会を作る
● 2年後には定期的にそのような人との接点を持っているようになり、興味があることを認知してもらう。
● 3年後にはそのプロジェクトにメンバーとして関わらせてもらえるようになる
● 5年後には興味のある分野のプロジェクトを自分でリードする。
● 10年後にはその道のプロジェクトのエキスパートになる

長い目でステップを踏んでキャリアを歩んで行く姿が描けたら、「当面子育てと今の仕事の両立をしっかりやる」ことも迷いなく、すっきりと語られていました。

4. 「制度 × コーチング」で人材の定着をより確かにする

このような支援は、個人のためだけでなく、企業にとっても大きな価値があると私は考えます。

離職防止:ただ働きやすい制度を整えるだけでは残せない人材を、キャリア意識の再構築でつなぎとめられる
エンゲージメント向上:「今の働き方で満足」だけでなく、「未来に向けて働き続けたい」という思いを取り戻してもらえる
長期的な人材育成:育児・介護といったライフステージが変わっても、キャリアの停滞ではなく再構築を支援できる

5. まとめ――ライフステージ変化は、キャリアの終わりではなく “再構築” のタイミング

ライフステージの変化は、キャリアの中断を意味するものではなく、新しいキャリアの可能性を育てるタイミングです。
制度という「土台」を整えるのはもちろん大切ですが、それだけでは、人材の「定着力」や「将来への意欲」までは守れません。社員一人ひとりの「想い」や「未来のビジョン」に伴走することで、変化をチャンスに変える強い人材基盤を築けるはずです。

 

\ Rubatoの法人向け1on1キャリア支援 /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
キャリアコーチングサービス「me:Rise」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

【本記事の執筆者】
建部 真奈

ITベンチャーでのITエンジニアを経て、株式会社サザビーリーグの社内システム部門で様々なブランドのシステム刷新プロジェクトをプロジェクトマネジャーとして推進。

現在は国際医療人道援助NPOの日本事務局でITチームのマネジャー、経営チームの一員も担う。自身のプロジェクト失敗経験からグロービスのMBAとコーチングを並行して学び始め、現在コーチとしても活動中。

グローバルな環境で多様な価値観の中、組織戦略にも関わりながら、コーチとして、クライアントが自身の内面で起きる葛藤と向き合い、関係性や組織/社会の規範からの影響に気づき、本来の可能性に開かれていくプロセスに伴走。英語でのセッションも提供可能。

・ICF認定資格/CRR Global認定 ORSCC (組織と関係性のためのコーチング認定コーチ)
・CTI応用コース修了
・産業カウンセラー
・グロービス経営大学院経営学修士(MBA)
・国家資格キャリアコンサルタント