
役職定年は「終わり」ではなく「転機」
多くの企業が導入している役職定年制度。
役職定年制度とは、部長・課長などの役職に就いている従業員が、その企業が定めたある年齢に達するとその役職を退くという制度です。役職や報酬が変わることで、社員にとっては大きな節目となります。
しかし現場では、
- 「モチベーションが下がった」
- 「急に受け身になった」
- 「再雇用を希望しない社員が増えた」
といった声も。
人事としては制度を整えても、社員の心理的な不安まではなかなか解消できません。ここに「見えない課題」が隠れています。
役職定年前後の社員が抱える3つの不安
役職定年前後の社員が抱える典型的な不安は次の通りです。
- 存在価値の不安
「役職がなくなったら、自分はもう必要とされないのでは」 - キャリアの不透明感
「この先、何を目標に働けばいいのか」 - 経済的な心配
「収入減で生活や老後資金は大丈夫なのか」
これらは本人も言語化しにくく、上司との面談では打ち明けられないことも多いです。そのため、研修や人事面談だけでは解消しきれず、社員の行動にブレーキがかかってしまうことがあります。放置すれば、本人はもとより現場の士気や若手育成にも影響します。そこに効果が期待できるのが、第三者である外部コーチが行うコーチングの活用です。
事例:外部コーチを導入したA社の取り組み
IT企業A社(従業員約1500名)は、役職定年前後の社員のエンゲージメント低下が課題でした。キャリア研修だけでは行動変容に結びつかず、人事部は「制度だけでは社員の心理的不安は解消できない」と考え、社員一人ひとりのキャリア観や不安は異なるので、個別に安心して対話ができる場が必要と判断し、希望者に外部コーチによる個別コーチングを導入しました。
外部コーチだからこそ聞ける本音
個別コーチングを受ける方は、コーチング経験がない方がほとんどです。管理職として1on1ミーティングやチームビルディングの中でコーチング的なアプローチは実施していても、自身がプロのコーチに話を聞いてもらったことはありません。キャリアを重ねるうちに部下の話を聞く側の役割だけが増えていき、自分の話を吐露する機会がないのです。私が担当したBさんもそんな一人でした。
20代の頃からグローバルに活躍し、会社の制度で米国留学も経験され、順調にキャリアを積んできたBさん。大きなプロジェクトを任されやりがいを持って仕事に取り組んできましたが、あと2年で役職定年という歳になり、その後のことを何も考えていなかった自分に愕然とし、コーチングにやってきました。そして、そんな不安を抱えていることを社内では決して悟られないようにしていると話し始めました。
初回のコーチングセッションを終えた時、「こんなに自分だけの話をしたことは何年ぶりだろう。」と感想を漏らしていましたが、3回のコーチングを終えた時には、「まだやれることはある、この2年は準備期間にあてればいい」という前向きな結論を出されていました。そしてご自身で決めた小さなアクションに取り組むと約束してくれました。
周囲から見ると順調なキャリアを積んでいる社員ほど、社内で本音、特に弱みを話すことはできないのではないでしょうか。しがらみがない社外コーチだからこそ、社内での自分の立場を気にせずに心の奥にある不安を出すことができ、そのことで改めて自分の未来のキャリアについて再構築ができるのではないかと感じます。
人事ができる3つのサポート
役職定年前後の社員に向けたコーチングを成功に導くには、次のようなポイントがあります。
1. 研修+個別フォローをセットで設計:行動変容が定着するまで伴走する
2. 安心して話せる第三者を活用:外部コーチだからこそ本音が出やすい
3. 行動計画を会社と共有:配置や育成に活かせる形にすることで双方にメリット
早期キャリア面談・キャリア研修といった施策と個別コーチングを組み合わせることで、企業と社員本人の双方がWin-Winになるサポートが可能です。
まとめ
役職定年は、社員にとって「終わり」ではなくキャリアの再スタート。
そのタイミングで不安を放置するか、前向きな行動を引き出すかで、会社の活力は大きく変わります。社員個人と組織全体の不安が軽減できるよう、適切なタイミングでコーチングを活用してみませんか。
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髙本 由美子
旅行会社に勤務後、カナダに語学留学。帰国後にベルリッツジャパン㈱の法人営業、スクールマネージャーを8年間経験。外国人や年上の部下のマネジメントに悩む中で人材活用に興味を持ち人材業界へ。以後18年間、人材サービス会社にて約3000人以上のキャリア相談、1000社以上の採用支援を行う。
2018年にコーチ資格を取得し、現在は理系職専門の人材サービス会社での転職・複業支援コンサルタントに加え、キャリアや年齢を重ねることに悩んでいるビジネスパーソンに向けたコーチング、認定コーチ育成機関の講座サポートなどを中心に活動中。
・国際コーチング連盟認定コーチ(PCC)
・一般社団法人 コーチングプラットフォーム認定コーチ
・国家資格キャリアコンサルタント