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ゴール志向だけが正解じゃない!多様な成長を支えるキャリアコーチング

≪目次≫
1.達成目標理論が教えてくれる、あなたの適性
2.自分の適性を知ることで納得感を持った歩みを
3.コーチングが果たす価値
4.こんな問いを通して、自分らしい歩みを

本記事の執筆者
高橋 悠人
  • 国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)
  • 銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ
  • GALLUP認定ストレングスコーチ
 

自分には明確なキャリアゴールがない。こんな自分はダメなのでは?
そんな不安を抱えていませんか。

キャリア相談やコーチングの現場では、「1年後や5年後の目標を描けない」という声をよく耳にします。社会は「目標を掲げ、それを達成することが成長」というメッセージを繰り返し発信していますが、そもそもゴールが思い浮かばない方は決して少なくありません。それは意欲や能力の問題ではなく、目標への向き合い方における「適性」の違いなのです。実際、長期目標を思い描くより、日々の行動を積み重ねることで自分らしい道を切り開く方も多くいます。

達成目標理論が教えてくれる、あなたの適性

1980年代に心理学者キャロル・デュエックらが提唱した「達成目標理論(Achievement Goal Theory, Dweck & Leggett, 1986)」によると、人は目標達成に向かう際、主に2つの志向を持つとされます。

マスタリー目標(学習習得目標)
自分の能力を高め、スキルや知識を獲得すること自体に価値を見出すタイプ。自分の進歩や成長が評価基準となり、失敗も学びの機会として捉え、粘り強く取り組む傾向があります。

パフォーマンス目標(遂行目標)
他者と比較して優れていることや、高評価を得ることを重視するタイプ。外部からの評価や結果がモチベーションとなり、時に失敗を避ける行動を選びやすい特徴があります。

この理論をキャリアに置き換えると、マスタリー目標は日々の成長や小さな学びを積み重ねる「積み上げ型」に、パフォーマンス目標はゴールを描き、その達成を目指す「目標達成型」に近いといえます。どちらも素晴らしいスタイルであり、自己理解を深めるうえでこの違いを知っておくことは非常に重要です。

自分の適性を知ることで納得感を持った歩みを

社会ではパフォーマンス目標に基づいた「わかりやすい成果」が評価されやすい傾向があります。会議や1on1で「来期はどんなゴールを設定する?」と問われた経験がある方も多いのではないでしょうか。しかし、積み上げ型(マスタリー志向)の人こそ、不確実な環境でも着実に成長し、柔軟に対応する力を持っています。

問題なのは、自分に合わないスタイルを自ら選んでしまったり、他者から押し付けられてしまうことです。特にマネージャーの立場でありがちなのが、メンバーが積み上げ型にもかかわらず、明確なゴールを強制してしまうケース。自分がパフォーマンス型だからといって部下に同じ目標達成スタイルを押し付けると、かえってメンバーのモチベーションを損ない、結果としてチーム全体の目標達成が遠のいてしまうことも、枚挙にいとまがありません。私自身、組織マネジメントを支援する中で、ゴールを持たないメンバーに「何がしたいのか決めろ」と迫り、関係が悪化してしまったケースを見てきました。

また、キャリア面談や自己分析でも「どんなビジョンを持っているか?」と問われると、「役職」「売上」「年収」などの“名詞”で答える人が多いものです。しかし、「どんな瞬間が楽しいか?」「どんな時間に自分らしさを感じるか?」と尋ねると、「考える」「作る」「まとめる」などの“動詞”が出てくることが多く、自分が大切にしている行動や価値観に気づけるきっかけになります。名詞は結果や地位を象徴しますが、動詞には自分の心が動く瞬間が表れやすく、自分らしいキャリアを築くための重要なヒントが隠れています。

自分がどちらのタイプに近いかを知り、合った進め方を選ぶことが、キャリアに納得感を持つ第一歩なのです。

コーチングが果たす価値

コーチングは「ゴール設定」をサポートするだけではありません。自分がどんな価値観や志向を持ち、どんなときに心地よさを感じるのかを引き出し、自分らしいキャリアを築くための思考整理を助けます。

目標達成型の方は、漠然としたゴールをより具体的に言語化することでモチベーションを高められますし、積み上げ型の方は、毎日の充実感を大切にする中で自然に理想像を言葉にしていくことができます。

コーチングを受けることは、どちらの人にとっても「自分らしいペースで未来を描く力」を支える有効な手段です。特に、これまでのやり方に行き詰まりを感じている方にとって、第三者と安心して対話できる場は、自分自身を深く理解する大きな助けになるはずです。

こんな問いを通して、自分らしい歩みをに

「どんなときに心が躍るか?」
「どんな環境で自然体でいられるか?」
「逆にどんな状況で自分らしさを失うか?」

こうした問いを通じて自分の適性を知り、ゴールを描くにせよ日々を積み重ねるにせよ、自分らしいやり方でキャリアを築いていく方を、これまで多く見てきました。自分の心に正直になり、自分らしさを受け止めることで、自分自身への信頼も少しずつ育っていきます。

目標設定に迷いがある方も、日々の充実を大切にしたい方も、自分に合った歩み方を見つけるために、ぜひ一度コーチングを受けてみてください。あなたのペースでキャリアを描くヒントが、きっと見つかるはずです。

 

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【本記事の執筆者】
高橋 悠人

三菱UFJ銀行、メットライフ生命を経て、DX領域でコンサルティングを提供するスタートアップ企業へ参画。営業及び人事領域の経営職として5年間全社をリード。

自身のキャリアと人生の関係性を見直すなかで、コーチングに出会う。約2年間にわたるクライアント体験が、プロコーチを志すきっかけに。その後、自身のビジョンである「人との御縁を中心に、個の成長や社会の発展に貢献する」を形にするためエンセッション合同会社を設立。現在は、会社の事業やスタートアップの人事責任者に加えて、コーチ業にも力を入れて活動中。

キャリアやビジネス、マネジメントや起業といったテーマを扱い、クライアントの「ありたい姿」を探索していくコーチングが強み。達成系、人間関係改善などのコーチング実績がある他、分析手法を用いたソシオメトリー、カウンセリング領域も得意とする。

・国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)
・銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ
・GALLUP認定ストレングスコーチ