ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営とは、「人が幸せに働ける職場を作ることで、組織も成長する」ことを目指す経営です。
もう少し具体的にすると、
・身体の健康(病気がない・元気に働ける)
・心の健康(ストレスが少なく、前向きな気持ち)
・社会的なつながり(信頼・チームワーク)
・仕事のやりがいや意味(貢献感・成長感)
などをトータルで高めるようなマネジメントや仕組みを整えることです。
なぜウェルビーイングを考慮する必要があるのか?
ウェルビーイングの定義は、「身体的・精神的・社会的に良好な状態」に加えて、「主観的な幸福感や人生の満足感」を含む包括的なものです。では、なぜ、企業の中で、仕事の内容だけではなく、ウェルビーイングを考慮していく必要があるのでしょうか。そこには、いくつかの理由があります。
1. パフォーマンス向上の土台になる
人は心身ともに健やかであるとき、その意欲や集中力、創造性は最大限に発揮されます。
逆に、プレッシャーや疲労が蓄積し、感情が抑圧された状態では、どれほど能力が高くてもその力を発揮できません。
米Gallup社の調査では、ウェルビーイングが高い従業員は、生産性が高く、欠勤が少なく、離職率も低いことが明らかになっています。これは、ウェルビーイングが単なる「気分」ではなく、業績にも直結する要素であることを示しています。
2. 離職防止と人材定着への寄与
現代の働き手、特にZ世代やミレニアル世代は、「給与」や「肩書」以上に、「自分らしく働けるか」「心地よく成長できるか」といった感覚的価値を重視しています。
ウェルビーイングを無視したマネジメントは、いずれ離職やメンタル不調といった形で跳ね返ってきます。反対に、安心感と信頼に満ちた関係性の中では、部下は自然と定着し、主体的に動くようになります。
3. 自律的な人材を育てるために不可欠
部下を「指示待ち人間」にせず、自ら考え行動する人材に育てたいと考えるマネージャーは多いでしょう。そのためには、部下自身が内発的な動機づけを持ち、日々の仕事に意味を感じている必要があります。
ウェルビーイングは、まさにその内発的動機の源泉です。自分の価値観や強みが尊重されていると感じるとき、人は自然と責任感を持ち、前向きに動けるようになります。
ウェルビーイングを考慮した部下育成とは?
では、実際にどのようにウェルビーイングを育成に組み込めばよいのでしょうか。以下に、今日から取り組める4つの視点をご紹介します。
1. 心理的安全性のある対話の場をつくる
単に業務の進捗を確認するのではなく、「最近どう?」という何気ない一言から始めてみましょう。
上司が自らの弱みや迷いを共有することで、部下も率直に話しやすくなります。
安心して発言できる環境は、失敗や課題に向き合う土壌を育みます。これは、Googleの調査でも高業績チームに共通する要素として明らかになっています。
2. 個人の価値観やキャリアビジョンを尊重する
部下育成においては、「何が得意か」だけでなく、「何に喜びや意味を感じるか」にも注目することが重要です。
定期的な1on1やキャリア面談では、「あなたはどんな仕事をしているときに一番やりがいを感じる?」といった質問を投げかけてみてください。
3. 成長だけでなく“回復”にも目を向ける
優秀な部下には、つい高い期待をかけてしまいがちですが、成長には「休息」や「内省」の時間が不可欠です。
短期的な成果を追うばかりでは、燃え尽きや慢性的な疲労を引き起こします。
部下に「最近余白の時間をとれていますか?」と声をかけたり、リフレクションの機会を意識的に設けることが、結果として持続可能なパフォーマンスにつながります。
4. 長期的視点で人を育てる
人の成長は、木の成長と似ています。目に見える成果ばかりを追い求めて根を張る時間を軽視すれば、いずれ脆く崩れてしまいます。
部下との対話の中で、「あなたが3年後にどうありたいか」など、中長期の視点で話をしてみましょう。
日々の業務がどのように本人のキャリアや人生と結びついているのかを理解することが、深い納得感とエネルギーを生み出します。
最後に:育成とは「人を大切にする姿勢」そのもの
いかがでしたか?
ウェルビーイングを考慮した部下育成は、決して特別なことではありません。それは、「人として大切にする」「一人ひとりと丁寧に向き合う」マネジメントの基本に立ち返ることでもあります。
今日の一言、今日の対話が、部下のウェルビーイングを育み、組織の未来を変える第一歩になるかもしれません。
そして、部下のウェルビーイングだけではなく、自身のウェルビーイングについても、ぜひ目を向けていただきたいと思います。ご自身のことを話す相手が見つからない時は、コーチングを受けるのも一つの手段です。私たちコーチがサポートいたします。
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西山 伸子
人材サービス会社にて営業、教育サービス会社にて営業・教育業務に従事。その後、トランスコスモス(株)にて19年勤務。主に人材育成業務に従事し、企画、コンテンツ開発、講師等を経験。現在はパーソナルコーチングを中心に、研修サポートなども行う。
自身のキャリアでは、転職、転勤、マネジメント、不妊治療、出産、育休取得、副業などを経験。各クライアントの価値観やライフステージに合わせ、納得いくキャリアを選択できるよう寄り添うことを信条としている
・国際コーチング連盟(ICF)アソシエイト認定コーチ(ACC)資格
・一般社団法人コーチングプラットフォーム認定コーチ資格
・国家資格キャリアコンサルタント