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Rubato のシェアドリーダーシップへの 挑戦

ルバート代表の松上です。いつもビジネススキルについて書いてきましたが、今日はRubatoの組織としての試みについて書いてみたいと思います。Rubatoでは「一人一人が、主体的に働く」ことをとても大事にしています。それはコンサルタントとしての経験がベースにあります。

 

リーダーシップ不在の組織

私はコンサルタントとして多くの組織に関わってきましたが、メンバーが主体性を持たずマネージャーに依存的であったり、一方でマネージャーもそれまでリーダーシップを発揮する機会が限られてきたために、周りの顔色を伺って意思決定したりするケースを数多く見てきました。つまり、誰もリーダーシップを発揮せず、ただ雰囲気で物事が決まる状態です。このような組織は停滞感が漂い、事業もうまくいかないことがほとんどでした。

なぜこのような状況になるのだろうかと私なりに考えてきましたが、「一人の人間にリーダーシップを委ねる」という組織構造や「リーダーがいること」それ自体が究極的には主体性の阻害になっているのではないかと感じています。

「リーダーは〇〇さんだから、〇〇さんが主導すべき。」という気持ちは口には出さなくても多くの人が感じたことがあることではないでしょうか。日本にとても多い、「私はサポート役が得意」という考えもこの辺に要因がありそうです。

近年、クレアモント大学のクレイグ・ピアースらが提唱した「シェアドリーダーシップ」という新たな考え方が注目を浴びています。シェアドリーダーシップの考え方のもとでは、チームは、複数の人間、時には全員がリーダーシップを発揮し、互いに影響を与えながら、チームの目標の達成に向かうのです。

例えば、BBQをする際に一人のリーダーがレシピ決定、買い物から調理までを決めて、指示するというのが旧来のチーム形態だと思います。そうではなく、料理好きな人がレシピを提案し、買い物が好きな人が食材の購入場所を選び、調理が得意な人が調理を指示し、また、互いに議論を行うことでより良いBBQにしようと皆で考えるのがシェアドリーダーシップのイメージです。

 

シェアドリーダーシップへの試み

当初は私中心での組織運営をしていたRubatoですが、事業を拡大していく中でそれでは機能しない部分が出るようになってきました。そこで個々人がリーダーシップを発揮する、「シェアドリーダーシップ」的な組織形態への変更を模索しました。そこで導入したのが「運営チーム制」です。事業毎に運営チームを組成し、事業に関わる意思決定は基本的には運営チームで行うという形をとりました。その際に私からの権限移譲はもちろんですが、下記のようにいくつか工夫を加えました。

1. 運営チームは3-4人で構成し、マーケティングから営業、オペレーションまでの企画を担う
できるだけ少ないメンバーで構成してコミュニケーションコストを減らし、事業の全ての機能を運営チームが見ることで全体像を理解して意思決定できるようにしました。当然事業に関わる損益情報も全て共有しています。

2. チームには「リーダー」ではなく「担当」を置き、担当が事業の計画や実行管理を担う
「リーダー」や「マネージャー」という肩書をつけた瞬間に周りはリーダーシップをその人に期待し始めます。そこで事業の管理部分を担う役割の人は「担当」という名称にし、敢えてリーダーシップの所在を曖昧にしました。

3. チームでチームのミッションを策定する
まだ全てのチームが策定できていないのですが、チームで自チームのミッションを決めることにしています。上から与えられたミッション・ビジョンを自分事化するのは相当難しいと感じているからです。

4. チームで目標と計画を策定し、週次の定例mtgで進捗確認および修正を行う
チームで年間の目標と計画を策定します。もちろん私も確認しますが、会社としての大方針を示した上で作成されたものなので、大幅な修正を加えることはありません。また、進捗管理は週次で定例mtgを実施することで、メンバーそれぞれの動きの確認も可能にしています。

5. 四半期毎の会議でチームの運営についてメンバーで振り返りを実施
日々のチームワークが上手くいっているかどうかを客観的に振り返る場を必ず3か月毎に設定しています。普段の定例は事業の中身を考える場ですので、チームがワークしているかというのは議論しません。そこで敢えてチームワーク自体を振り返る時間を持つようにしています。

 

最後に

今回は主体的に働くための弊社のシェアドリーダーシップの試みを書いてきましたが、リーダーシップやマネジメントの形というのは組織によって様々だと思っています。2023年2月21日にマネジメントとリーダーシップに関するセミナーを予定していますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。今必要とされるマネジメントスタイル、マネジメントとリーダーシップの違い、グローバル視点でみた日本のリーダーシップなどについてお話します。