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エグゼクティブサマリー1枚で資料の質が劇的に上がる

ルバート代表の松上です。あっという間に11月となり、今年も残すところ1か月半ほどになりました。前回は資料に目的がないことの問題について書きましたが、今回は資料を少しでも伝わるものにするためにできることについて書きたいと思います。

資料に関する悩みでよく聞かれるのが、「うまく伝わらない」、「資料が多くなってしまい、結局何が言いたいかわからない」などです。実はこれを解決するために特に効果的なのが、エグゼクティブサマリーを使うということなのです。

エグゼクティブサマリーとは?

エグゼクティブサマリーとは日本語で言うと「要約」のことで、資料全体から何を言いたいかをまとめたものです。できるだけ1枚にまとめることが推奨されています。

 


 

その良さは、1枚を読むだけで、伝え手の言いたいことを理解できるという点にあります。資料が数十枚にわたっている場合、全て読まないと聞き手は内容を理解することができません。しかし、エグゼクティブサマリーを読めば内容がある程度予測でき、大量の資料を理解することが容易になります。

また、聞き手に時間がない場合はエグゼクティブサマリーを読めばよいので、時間短縮にもつながります。したがって、部長や役員など時間がない方に説明する場合は、エグゼクティブサマリーは非常に効果的です。

資料の構成(ストーリーライン)に自信がない方はエグゼクティブサマリーで言いたいことを伝えてしまえば、その後の資料や構成が多少わかりにくくても、聞き手に内容を伝えることは可能ですので、とにかく最後に一枚エグゼクティブサマリーを追加することをおすすめしています。

以上のように、聞き手にとって様々な効果があるエグゼクティブサマリーですが、効果は実はそれだけではありません。

 
エグゼクティブサマリーで資料全体の質を上げられる

1枚追加すれば聞き手の理解を促進できるエグゼクティブサマリーですが、実は資料作成のプロセスでエグゼクティブサマリーをうまく活かせば、資料全体の質を向上することが出来るのです。質の向上には以下の二つの効果が寄与してくれます。

まず一つ目として、資料作成の途中でエグゼクティブサマリーを作ると、自分で何を伝えたいかが明確になります。資料を作る中でスライド作りに集中すると何に重点を置いて伝えれば良いかがわからなくなる時がよくあります。そういう時には途中の時点でエグゼクティブサマリーを作ってみてください。自分の伝えたいポイントを箇条書きにして整理すると、自分が特に何が言いたいかが見えてくることがよくあります。

二つ目としては、資料全体を俯瞰して見られるので、資料に必要な要素が明確になります。スライド一枚一枚を作っていると全体として必要な要素が何かがわからなくなることがあります。その結果、大事なポイントを含めることを忘れてしまうことが起きたりします。しかし、エグゼクティブサマリーを途中で作ると資料全体を俯瞰できるので、大事なポイントを忘れることを防ぐことが可能になります。

 
エグゼクティブサマリーを作る4ステップ

このように非常に便利なエグゼクティブサマリーですが、作成するのが難しいと感じる方が多いのが現状です。特に資料が数十枚にもなると自分自身でもどうまとめれば良いかがわからなくなることが多いように思います。そんな方のために4つのステップでエグゼクティブサマリーを作るコツをお伝えしようと思います。

①各スライドで言いたいことを各スライドにスライドメッセージの形で記述する。
②次にそのスライドメッセージを集めてスライドに箇条書きにする。
③箇条書きの中から重要なもの、そうでないものを整理しスライド1枚にまとめる。
④可能であれば図解にする。

上記のステップで作成すると自分の中で何が言いたかったかが明確になり、1枚のエグゼクティブサマリーを作ることができます。実はこのプロセスを何度も行うことで「具体→抽象」の思考の訓練になりますので、ロジカルシンキングを鍛えたい方にはおすすめの方法です。

いかがでしょうか。ぜひ10枚を超えるような資料を作成する場合はエグゼクティブサマリーを作るクセをつけてみてください。ロジカルシンキングが鍛えられ、資料の質が向上し、そして、何より相手に伝わりやすくなることが間違いありません。