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ポータブルスキルって何?コンサル流の習得術は?

みなさんこんにちは。ルバート代表の松上です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。新年ということで自身のキャリアについて考える機会が多いと思いますが、皆さんは「ポータブルスキル」という言葉をご存じでしょうか?どの業種や職種でも必要となる、汎用性の高いスキルのことです。

なぜこのスキルが注目されているのかというと、一つには終身雇用制度が崩れて、転職が当たり前になってきていることがあります。どんな会社でも通用するスキルが必要ということですね。また、世の中の仕組みがより複雑になり、一つの分野の専門性が高いだけでは対処できない課題が増えてきていることも背景にはあると思います。

このポータブルスキルは具体的にはどのようなスキルなのかというと、厚生労働省は「仕事のし方」と「人との関わり方」の二つのスキルだと定義しています。「仕事のし方」については「課題を明らかにする」→「計画を立てる」→「実行する」の三つと定義されています。

出所:『厚生労働省』”ポータブルスキル”活用研修 講義者用テキスト

これはルバートが提供する、ロジカルシンキング研修(課題を明らかにする)、ワークプランニング研修(計画を立てる)、資料作成研修・デリバリー研修(実行する)とまさに一致する内容です。

課題解決を業務とするコンサルティング会社では、日々この課題→計画→実行に取り組むため、コンサルタントは結果的にポータブルスキルを身に着けることになります。私自身、コンサルティング会社の後にNGOでの勤務や自身の会社の立ち上げに取り組んできましたが、このポータブルスキルが大変役に立ちました。そして、同じようなスキルをより多くの人に身に着けてほしいという想いがルバートの研修のベースになっています。

「では、ポータブルスキルを身に着ければいいんだ」と思われると思うのですが、ポータブルスキルを身に着けるのは残念ながら簡単なことではないのです。ポータブルスキルを身に着けるためには、課題発見→計画策定→実行という非定型の業務を何度も繰り返す必要があるのですが、世の中の業務の多くは定型化されていて、非定型の課題解決型業務に日々取り組むような仕事は実は多くないのです。

この問題はよくRubatoの講師陣でも議論されるテーマです。課題解決のポータブルスキルを持った人間が世の中で求められている一方で、世の中の業務は標準化が進み、どんどん誰でもできるものになっていっているという矛盾があるのです。では、どうすれば課題解決型のポータブルスキルを磨く機会を得られるのでしょうか。

様々なアプローチがあり、弊社のキャリアコーチングサービスの「me:Rise」のブログでもいくつかのアプローチをとりあげていますが、一つの考え方として、部署の課題解決を図るようなプロジェクト型の仕事に積極的に関わるということがあると思います。プロジェクトは課題発見→計画策定→実行というまさにポータブルスキルを磨くのにうってつけの業務だからです。

しかし、日常の定型業務でいっぱいになっている状態では、当然プロジェクト型の仕事に参加する余裕もありませんし、周りも任せようとは思わないでしょう。

そこで、私がおすすめしているのが、日常の定型型業務については圧倒的なスピードで早く終わらせるということです。それにより、プロジェクト型の仕事に関わる余裕が生まれるのです。

私の新人コンサルタント時代の経験ですが、先輩からいただいたアドバイスというのが、「今はあんまりプロジェクトの全体像とか考えなくても良いから、とにかく分析をすごいスピードで出来るようにした方が良いよ」という内容でした。つまり、定型の分析業務はとにかく早く終わらせて、課題について考える時間を捻出しなさいという意味でした。

実際に私は「定型業務を早くするためにはまずはスキルアップだ!」、ということでエクセルやパワーポイントのショートカットや便利なコマンドなど、細かいことですが、必ず時短に効くスキルをひたすら覚えて自身の定型業務を効率化していきました。今考えてもそのアプローチは間違っていなかったと思います。

まずは普段の業務を細かいレベルからで良いので、とにかくスピードアップしてみる。そして、それにより課題解決型の非定型業務に取り組む余裕を作る。というのが、遠回りのようで、意外とポータブルスキルを身に着ける近道なのではないかと思います。

2022年2月15日にミツカリの表さんと統計学と資料作成についての無料セミナーを開催します。統計も資料作成もポータブルスキルの一種だと思います。ポータブルスキルを身に着けることにご興味ある方はこの機会にぜひご参加いただければと思います。