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これからの時代は、未来予測力より超速対応力

12月も中旬となり、もう年末年始の足音が近づいてきました。今年一年を振り返ると本当に色々なことがあったと感じています。新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言、それに伴う在宅ワーク、GoToトラベル、GoToイート。

来年も何が起きるかは予測できません。予測不可能な未来に対して、 「今後はどうなるのか」と  人は大きな不安感を抱きます。今年は、ウェブメディアを含めて、未来に対する答えを見つけようという話題(例えば、Afterコロナ、withコロナ、コロナ時代の働き方など)が非常に多かったように思います。

ただ、私が感じているのは、「未来予測」に大きな労力を使いすぎるのはこれからの時代の生き方としてはあまり効率的ではないということです。そもそも世界レベルでの大きな変化が起きる時代に未来を予測すること自体が大変難しいことだと感じています。

今はコロナの話題が賑わっていますが、もしかすると来年は強力なコンピュータウイルスにより世界レベルでインターネットが使用不可能になることがあるかもしれません。Googleが昨日ダウンしていましたが、GAFAの一つでも何か大きなトラブルが起きれば、我々のインフラであるメールやカレンダーなどが使えなくなることもありえるかもしれません。全ての「未来」の「予測」は我々には不可能なのです。

そうすると、環境変化を「予測して対策する」のではなく、環境変化を「素早く理解し」、「素早く対応する力」や「素早く対応する組織力」がより重要なのではないか、とこの一年を通して感じています。

コロナの件で言うと、弊社は長年実施してきたリアルでの研修を3月には素早くオンラインに切り替えました。そしてすぐにオンライン研修の手法を研究して、現在ではオンラインの研修についてはお客様から「リアルの研修より良いのではないか」と驚かれるレベルになっています。

これを私は「超速対応力」というふうに呼んでいます。つまり変化を素早く確認して、それにあわせて対応する力です。仕事でも同じだと思います。どんなに気を付けてもどうしても人は仕事で失敗するものです。一方で失敗を全て防ごうとするとそれだけで膨大な労力がかかってしまいます。

ですので、失敗することは仕方ないとして、失敗が起きたらその失敗という変化に対して全力で対応するのです。つまり失敗してから全力のスピードとエネルギーで対応するのです。

長年のコンサルティング経験で感じることとして、大きな環境変化や一つの失敗で事業や仕事が吹き飛ぶことはほとんどなく、それへの対応の遅さやまずさで事業や仕事が吹き飛ぶことがほとんどだと私は感じています。それを考えると「超速対応力」は今の時代の必須の力と感じます。

予測不可能なことに対して人は不安を持ち、必死でそれを「未来予測」で埋めたくなるものです。そんな時こそどっしり構えて、どんなことにも対応するぞという心構えを持っておく、こんな態度が今の時代に必要なことだと感じています。

年末年始、時間があると思います。先の見えない時代だからこそ、自分が何を大事にしていて、軸をぶらさない在り方とは何かを考えて、大きな環境変化に対する心構えを持つための時間に使う。こんなことがもしかすると、また「大きな変化を迎える」来年に向けては大事かもしれません。