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ルバート講師渡邊浩良による『情報収集のコツ』(前編)

今回はルバートが主催する資料作成講座の講師をつとめる渡邉浩良による『情報収集のコツ』について紹介いたします。是非皆さんの資料作成において参考になればと思います。

 


「部長へ報告しなくちゃならなくなったから、再来週までに×××について調べてまとめておいて!」「え、それ全く分かんないよ・・・」。

こんな経験皆さんよくあると思います。会社の同僚や知り合い等に聞ける人がいれば良いですが、そもそも何が分からないかすら分からない・・・という状況に置かれたことのある方も少なくないかと思います。

10年以上前のことになりますが、私はイギリスのNPOが実施している『歴史的建築物の活用』をテーマに修士論文を執筆しました。当時は「周りに聞ける人がほとんどいない状況」でした。そんな状況に幾度と陥ってきた中で自分になりに試行錯誤して導き出した私の情報収集のコツを少し共有していきたいと思います。

 

【情報収集の大前提】

情報収集は限られた時間で行うため、アウトプットに割く時間から逆算する

上司へ報告した際に「色々集めてくれてありがとう・・・それで?」と言われた経験がある人も少なくないと思います。アウトプットをする時間を考えないで、最後まで情報収集を続けてしまった際の悲劇です。

経験上、情報収集に時間をかけすぎてしまうと、それ以上「価値ある情報」を得ることが難しくなります。もっともっと知りたい、これが分かれば・・・という気持ちを抑えて、アウトプットに全体の50%程度の時間を残しておくことが重要です。


【情報収集のための調べるサイクル】

何か知らないことを調べる際、無意識の中にもサイクルが存在します。行き当たりばったりに思えても、実は、①自分と調べるものの間にどの程度知識ギャップが存在するか、②自分の持っている知識が対象を調べるために十分か否かを判断し、③インターネット検索やヒトに聞いたりして情報を獲得します。

その後、その収集した情報が解決策や意思決定等に対して十分か否かを④検証・判断し、その内容から、オーディエンスに⑤伝達するためのドキュメンテーション・コミュニケ―ションを実施します。最後に、①~⑤の学習として、情報を頭の中や情報源として、⑥自分の情報源リストを整備するといったサイクルです。

今回は、このサイクルの中の④検証・判断、⑤伝達を除く①~④と⑥ステップのコツをお伝えしていきます。


◆調べるサイクル① 知識ギャップの認識

まず知らないことを調べる際に重要なことは、「調べるものと自分の知識とのギャップ」を認識することです。ここでのチェックリストの流れは、調べる対象に必要な専門知識があるか否か?

◆調べるサイクル② 自分の情報源リストとのすり合わせ

次に、自分の持っている知識で足りるか否か?です。多くの場合は下図にある①専門用語も情報ソース等も分からない、③専門用語は分かるが、情報ソース等が分からないといった状況が多いかと思います。

以前、クライアントから「とあるベンチャーキャピタルからこの会社に出資しないかという話があり、投資すべきかどうか1ヵ月程度でレポートにまとめてください。」という難しい案件をいただきました。引き受けるか迷っていたのですが、「グループの発展のためにもぜひ御社にやってもらわないと困るんです・・・」という断れない状況に追い込まれたことがありました。まさに①の専門用語も情報ソース等も分からないといった状況でした。


 

引き続き、後編で『調べるサイクル』ステップ②の実際に調べる必要のあるものを特定するコツと、ステップ③以降を紹介していきます。

後編はこちら▶